花物語　３）　ナウパカ

一輪の花びらをちょうど半分に割ったような形をしているナウパカの花。ハワイには、浜辺に繁殖するビーチナウパカと山奥に繁殖するマウンテンナウパカの２種類があります。ハワイ人はその昔、ナウパカの実を目薬や腫れ物・打ち身の治療に用いたり・・・と生活に深く関わっていたことから、また印象深いその花の姿から恋の神話や多くの伝承を語り継いできました。幾つかあるお話の中から今回は代表的なものをお伝えします！

♡悲哀に満ちた恋の神話♡

火山の女神ペレはある男性に恋心を抱きますが、彼には深く愛し合う恋人がいました。ペレの熱烈な告白を、誠実な彼は拒絶します。気性の激しいペレは怒り狂い真っ赤な溶岩で二人を追いかけ男性は海で、女性は山で溶岩に飲み込まれてしまいました。その後、彼が死んだ浜辺には不思議なことに花びらが半分しかない花が咲き、女性が死んだ山にも同様の花が・・・やがて「この二つの花を合わせると恋人たちは結ばれる！」と、いわれるようになりました。

フラの曲には自然の素晴らしさやその土地を讃えた歌、友人への想いや家族や恋人への愛情・・・等、様々な曲がありますが、このように哀しい物語を如何に表現していくか・・・・・深く掘り下げて考えていくところに、学びの価値があるように思います。　Happy！だけではない、哀しみや辛さを自分のハートに重ね、それを表現し伝えられるような素敵なフラダンサーになりたいですね♡♡

ナウパカはクサトベラ科の常緑植物で、ハワイを含む熱帯と亜熱帯に広く分布します。ビーチナウパカは白、マウンテンナウパカは黒の実をつけますが、ハワイでは１年を通じて花を咲かせますので、花と実を同時につけているのを見ることもできます。そして、浜辺に繁殖するビーチナウパカは塩害に強く密生して分布しますので、防砂用として植えられることもあります。

※写真はマカプウ岬の入口付近で撮影しました。右の写真には白い実がありますね・・・わかりずらい写真ですみません